2020-01-14

風邪のひける身体

20代後半くらいから、風邪は毎年2~3回くらいひくような身体で、

喉の痛みから始まり、鼻水、咳でフィニッシュ。

熱を伴う風邪は年に1度あるかないかくらい。

十数年前、整体を通じて、

風邪は身体を整えるためにひくので悪いものではなく、

むしろたまにひいた方がよい、ということを知りました。

なので、風邪をひいたらラッキー☆と

捉えるようになっていました。

 

8年前のちょうど今頃、父が心筋梗塞からの脳卒中で、

介護が必要となり、私がそれを一手に担うこととなりました。

高次脳機能障害という後遺症や、

歩行介助も必要だったため、

父を一人ぼっちにすることも難しく、

夜中もトイレで2~3時間ごとに起きるので、

なかなかに気の抜けない日々を送っておりました。

 

さらに4年前、父が2度目の脳卒中を起こし、

記憶障害が一段と進み、歩行介助も常時必要となり、

ますます気の抜けない、

いつもどこか緊張している毎日を過ごすようになりました。

そして、気づいたら、風邪らしい風邪をひくことがなくなってしまいました。

たとえ睡眠不足であっても、寒いところに一日中いても。

 

父親の介護は、そこそこハードなもので、

心身共に一向に「慣れる」ということがありませんでした。

加えて、弱ってしまった父を認めることができず、

その苛立ちを父にぶつけるという体たらく。

3年ほど前だったでしょうか、そんな私を見かねて、

週2~3日お世話になっていたデイサービスの施設の方が、

「平日はお父さんをお泊りにしませんか」とご提案くださり、

(お泊りの出来る通所介護施設だったので)

週の多くを施設の方にお願いできるようになったものの、

心も身体も楽になることはなく、

やはりどこかいつも気が張った状態でした。

 

また、平成28年から、家族療法のファミリーコンステレーションを学び始めるも、

学んだことを実生活であまり活かせず、

(実はこの時は、学んだことを活かそうと思ったり、自分を変えよう、

変えたいなどとは微塵も思っていませんでした。自分でもそのことには気づかず…)

介護生活に、ほとほとうんざりしていました。

 

しかし、一昨年の初秋、そのファミリーコンステレーションのトレーニング中、

ファシリテーターの小林先生と仲間のお陰で、

自分を変えたくない自分がいることに気づかされました。

時間をかけて自分と向き合っていくうちに、

自分の至らなさがどんどん浮き彫りになっていきました。

介護のことについては、

後遺症を抱えた父を変えようと思っていたこと、

介護に振り回される可哀想なワタシを演じていたこと、

その可哀想なワタシは父親のせいだと思い込んでいたこと、

本当は父親が大好きで、父のそばから離れたくない

超がつくほどのファザコン娘だったこと…、

こんな状態ではダメだ…なんとかしなくちゃ……。

そんなことに気づいたとき、

ふと、ファミリーコンステレーションの創始者である

バートへリンガーの著書「ファミリーコンステレーション 隠された愛の調和」の中にあった

「老いた両親の介護」について書かれたページのことを思い出しました。


読み返してみると、あるワードに対し、

以前読んだときにはなかった得心感がありました。

声に出して読んでみると、フワッと心と身体が軽くなったような感じがしました。

(これはトレーニングを受けていたからこその感覚なのだろうと思います)

 

それから、少しずつ、本当に少しずつ、

介護が前ほど「うんざり」なものではなくなっていきました。

昨年末ごろには、「なんかちょっと気が楽になってきたかも…?」と

自然に思えるほどまで気持ちに変化がありました。

ほぼ週末だけの介護とは言え、病院に連れて行ったり、

父が起きている間はそばを離れられなかったり、

下の世話をしたり、以前とやることに変化はないのに…。

 

そして、一昨日の夜のことです。

私は喉に違和感を覚えました。

 

「…ん?いたい…?」

 

唾を飲み込むと喉が微妙に痛いのです。

 

「この痛み…知ってる…ぞ…」

 

「…ハッ…!も、もしや、私の身体にいらっしゃった…?

昨日お父さんを病院に連れて行ったときに入って来られた…?」

 

翌朝、痛みは倍増。唾を飲むのが昨晩よりも痛い。

話すのもちょっとつらい。

 

そして今朝、喉の痛みは少々治まったけれど、

今度は鼻の奥に違和感が…!

 

「鼻…づまり…?

なんだか首も肩まわりも詰まったような感じがする…」

 

「ゲホッ…!時折、咳も出るワ…。

つまり、風邪の症状…よね…?

これまでに何十回と経験した症状よね…?

や、やった…!風邪だ、風邪がひけた!8年ぶりに風邪をひいたどー!」

ここまできたらいっちょ熱も出て欲しいところではありますが、

ひとまず軽いながらも、風邪がひけるようになるまで

気が抜ける心と身体になれたということで、

一人しみじみうれしい今日でございました。

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